どうも、人材開発コーチをしているナガヤです。
最近、僕は外国籍の方に日本語を教える機会を持っています。
そこで痛感するのは、単に「言葉が通じない」ことの不便さではなく、「言葉の裏側にある価値観(OS)が全く違う」ことの衝撃です。
例えば、ある課題に対して「なぜこれをしなかったのですか?」と問う。
日本人同士なら「すみません、忘れました」で済む場面でも、彼らには彼らなりの、その国の文化や宗教観に根ざした「正義」や「理由」があります。
「自分にとっての当たり前」が通用しない世界。
そこでは、相手を自分の型にハメようとするほど、心は離れていきます。
これはミャンマー人スタッフとの関わりだけでなく、実は「今、あなたの隣にいる日本人メンバー」との関係性においても、全く同じことが言えるのです。
今回は、近年日本での就労が急増しているミャンマー人の価値観を例に、リーダーとして身につけたい「本質的な対人スキル」を紐解いていきましょう。
ミャンマー人の心に流れる「5つの核心」
まずは、ミャンマー人の5つの特徴をお伝えしていきます。外国人スタッフはいないよというリーダーの方も、国際感覚の理解にもつながるのでぜひ目を通してもらえたらと思います。
①「徳を積む」という生き方
敬虔な仏教徒が多く、現世で良い行い(寄付や助け合い)をすることが来世の幸せに繋がると信じています。
②「アナーデー」という遠慮
相手に迷惑をかけたくない、気まずい思いをさせたくないという、日本人の「察し」に近い、しかしより強力な遠慮の文化です。
③「プライド(面子)」の高さ
特に人前で恥をかかされることを極端に嫌います。これは「徳」や「尊厳」に関わる死活問題だからです。
④「家族・コミュニティ」が絶対
会社よりも家族や仲間の冠婚葬祭、緊急事態を優先します。彼らにとってのセーフティネットは組織ではなく「縁」にあります。
⑤「怒り」への拒絶反応
感情を露わにして怒鳴る人を「野蛮」あるいは「徳がない」と見なします。一度でも強く怒鳴ると、信頼回復は極めて困難です。
違いはミャンマーだけじゃない。人はみな「違う価値観」を生きている
「ミャンマー人は個性的だな」と思われたかもしれません。しかし、ここで立ち止まって考えてみてください。
あなたのチームにいる20代の若手社員、50代のベテラン、子育て中の時短社員。彼らもまた、ミャンマー人と同様に、あなたとは全く違う「背景(OS)」で動いています。
今の時代、国籍が同じであっても、育った環境やキャリア観は千差万別。もはや「日本人だからわかるだろう」という甘えは、組織を崩壊させるリスクです。
では、この「価値観の違い」を前提としたとき、私たちは今のメンバー(日本人)に対して、具体的にどう接していくべきなのでしょうか?
【実践】日本人メンバーの力を最大化する「3つの具体的アプローチ」
ミャンマー人マネジメントから学べる知恵を、今のチームに転用してみましょう。
1. 相手の「価値観の源泉」をプロファイリングする
「最近の若手はやる気がない」と嘆く前に、彼らが何を「徳(価値あるもの)」と考えているかを知ることです。
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具体策: 1on1の場で「仕事を通じて何を得たいか」ではなく、「人生で何を大切にしているか(家族、趣味、自己成長、安定など)」をストレートに聞く習慣をつけましょう。
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効果: 相手の「大切にしているもの」を否定しないリーダーだと認識されるだけで、心理的安全性は劇的に高まります。
2. 「見せしめ指導」を捨て、クローズドで尊厳を守る
「みんなの前で叱ったほうが緊張感が出る」というのは大きな間違いです。
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具体策: ミスや改善点の指摘は、たとえ1分で済む内容でも、周囲に声が聞こえない別室やチャットの個別メッセージで行います。
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効果: 相手の「面子」を守ることで、反発心ではなく「改善への意欲」にエネルギーを向けさせることができます。現代のパワハラ防止の観点からも必須のスキルです。
3. 「普通はわかるよね」を禁止し、言葉を尽くす
ハイコンテクスト(察する文化)から脱却し、誰が聞いても誤解のない言葉を選びます。
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具体策: 指示を出す際は「いい感じにやっといて」ではなく、「①目的、②期限、③求める品質の基準」を数値や具体例で伝えます。
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効果: 背景が違うメンバーにとっても「何をすべきか」がクリアになり、無駄な迷いや手戻りが消えます。これは「言語化能力」というリーダーとしての武器になります。
違いを「リスク」ではなく「資源」にする
ミャンマー人メンバーとの接し方から学べる本質。それは、「自分の物差しを一旦横に置き、相手の物差しで世界を見てみる」という謙虚な姿勢です。
性別、世代、キャリア、そして国籍。 あらゆる「違い」を「面倒なもの(リスク)」と捉えるか、それとも「新しい視点をくれる宝(資源)」と捉えるか。
そのマインドセット一つで、あなたのチームの団結力は変わります。
相手に合わせたコミュニケーションを選択できるようになった時、あなたの組織は、どんな荒波にも負けない「多様性に強いチーム」へと進化するはずです。
今日の一歩
相手の背景を想像する第一歩として、まずは今日のランチタイムに、メンバーの「最近ハマっていること」を一つ深掘りして聞いてみるのはいかがでしょうか?
それでは、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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